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松原という場所

「松原って景色のいいところですよね?」

 同僚が言い切った。
 それに対する周囲の集中砲火はヤン艦隊もかくやというものだった。

「松原ってジャンクションやん」
「景色がいいもなにもないと思うけど」
「うんうんその通り」

 松原ってどこですか? とは言えず、私も「そうだそうだー」と仲間に加わった。座右の銘は『長いものには巻かれろ』である。この周辺(大阪府やや南寄り)では、松原といえばそこなのだそうだ。話の流れで天橋立の話題も出ていたので、「もしかして松島のこと?」という意見も出してみたが、「いや、違う違う、あるってば松原」と同僚は意見を曲げなかった。

 てなわけで、分からないことはすぐググれ、ということで調査してみました。グーグル先生によると、日本には三大松原と呼称される景勝地があるらしいです。

 三保の松原(静岡県)
 気比の松原(福井県)
 虹の松原(佐賀県)

 三保の松原は羽衣伝説の残る地だとか。気比の松原は、なんというか、敦賀気比もあるとこです!(私はまだヒガシデを見捨てたりしていません) ネット上で写真を見る限りでは、なかなかの美しい景色でした。三大松原には、風の松原(秋田)や天橋立(これは別格だから外された?)などが入ることもあるようです。日本各地にある稲荷神社が「我こそは日本五大稲荷のひとつ!」と自称しているのと同じ類の現象でしょうか。

 気比の松原には『一夜の松原』という伝説が残っているそうです。

 曰く。聖武天皇の御代、この地に異賊が来襲。このとき、一帯は突然震動し、一夜にして数千の松が浜辺に出現した。樹上には無数のシラサギ。それはまるで、風にひるがえる旗差物。敵は数万の軍勢とみて、たちまち逃げ去ったのだという――

 村おこしのために誰かが創作したものだったにせよ、こういう話には元ネタがあることが多く、その由来を探ってみると面白いかもしれません。地元のこどもたちが演劇をやるなど、力もいれているようですし。
「妹に恋ひ 吾の松原 みわたせば 潮干の潟に 鶴鳴き渡る」
 万葉集に載る、聖武天皇謹製の歌です。ここでの松原は、三重あたりのことのようですが。

 まぁつまり何が言いたいのかというと、すまぬ、同僚よ、我々が愚かじゃった…、ってこと。分からないことあったらすぐに調べてここにメモりたいと思います。

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